バングラデシュ

170の小学校が“子どもにやさしい学校”に

Report

後日公開

About Project

質の高い教育を目指して Vol.06(2017.05)

バングラデシュ北西部ガイバンダ県パラシュバリ郡にあるClothes for Smiles が支援するShakoa政府小学校の教室では生徒たちがグループで向かい合って3年生の授業を受けています。

先生は教科書を閉じ、生徒たちにも教科書を閉じるように声をかけました。そして1クラス50人以上の子どもたちを前にこう呼びかけます。「さあ、楽しい時間のはじまりですよ。歌を歌いたい人、ダンスを踊りたい人、絵を描きたい人はいませんか」

通常、バングラデシュの農村部の学校は非常に静かで、授業中の子どもたちは真剣そのもの。楽しんでいる様子はあまり見られません。しかし、この小学校は違います。先生の呼びかけに対して、子どもたち全員がすぐに手を挙げたのです。

誰よりも早く手を挙げたのはサディアさん(8歳)。みんなの前で有名な民謡を歌いました。教室には子どもたちが描いた人気アニメのキャラクターや学習意欲を高めるために教科書に掲載されている写真などが飾られています。サディアさんの歌に感化されて他の子どもたちも次々にパフォーマンスを始めました。

この喜ばしい光景は、Clothes for Smilesからの資金でバングラデシュの農村部、パラシュバリ郡にある170校の小学校を「子どもにやさしい学校」に変える活動の一コマです。

トップバッターとして教室で歌を披露するサディアさん

「学校が楽しい」

校庭にあるブランコで遊ぶサディアさん

サディアさんは放課後「学校はとても楽しいです」と話してくれました。 「先生たちはとても協力的で、何か尋ねるといつも私たちのことを助けてくれます。イライラしていることもないし、私たちを怒ることもないです。お姉ちゃんたちに私の学校のことを話したら『私たちの頃はそうじゃなかったわ』ととても驚いていました」と言います。 「学校はきれいです。校舎はカラフルで、教室は絵で飾られていて、とても素敵です。校庭にはすべり台やシーソー、ブランコもあります」と嬉しそうに続けます。 サディアさんの友人のクマリカさんも学校で過ごす時間が大好きだと話します。「グループになって授業を受けるときが一番楽しいです。グループディスカッションを通じて大切なことを学んでいると思います。私たちは生徒ですが、先生でもあります」と続けます。

先生の喜び

生徒たちが楽しんでいるこの環境“子どもにやさしい学校”こそが、Clothes for Smiles支援のプロジェクトの成果です。子どもの権利や全体の発展計画、子ども中心の学習アプローチについて学校運営委員会と教員を対象に研修を行ってきた成果なのです。

生徒をサポートをする先生。

この大きな変化を近くで見てきたSuraiya校長先生はこのように話します。「支援が始まったのは2014年、その頃の学校と今の学校は全く違います。以前の校舎は外壁が剥がれ落ち、床はガタガタで、生徒が使う机の多くは破損していました。教室は暗く、暑い日や晴れた日に使用する扇風機もありませんでした。適切な学習教材さえもなかったのです」

「学習教材や遊具を購入し、校舎と教室を自分たちで飾りつけました。また、教員たちは生徒が自発的に楽しみながら効果的に学べる環境、“子どもにやさしい学校”作りについての研修を受けました。

行事の際には定期的に大会を開催し、生徒全員がなんらかの賞を得られるように工夫をしています。」Suraiya校長先生はこう続けます。「学校のインフラ整備といったハード面の成果だけでなく、怖がって質問しなかった生徒が好奇心旺盛に、自信を持って、笑顔で授業を受けている姿を通して成果を感じることができて嬉しい限りです。」

「子どもにやさしい学校」を通して質の高い教育を

ユニセフ・ボグラ地域事務所の教育専門官、Rafiqulは、“子どもにやさしい学校”というアプローチは、質の高い教育を促進し、子どもに健康と遊び、安全な環境を提供するのにふさわしい取り組みであると説明します。

「質の高い学習とは、子どもの年齢と精神的・認知的発達が一致するということです。この学校ではそれがあります」とRafiqulは言います。

今回のレポート担当:
Kamrul Hasan Khan for UNICEF