バングラデシュ

「子どもにやさしい学校」を広め、教育の質を改善する

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About Project

[バングラデシュ]夢がドレスを紡ぎだす 再び学ぶチャンスを得て夢をつかんだ少女 Vol.02(2014.10)

Clothes for Smilesは、バングラデシュで2つのユニセフの教育プロジェクトを支援しています。
ひとつは農村部で「子どもにやさしい学校」を広める活動。もうひとつは、都市部で、学校に通えなかったり、途中でやめざるを得なかったりした子どものために、再び学びの機会を提供する学校外教育の取り組みです。
Clothes for Smiles からの資金をもとにした都市部での支援活動は、今年から本格的に実施される予定となっています。
今回は、これまでにユニセフが実施してきた都市部で働く子どもたちのための学校外教育支援活動を通じて、再び学ぶチャンスを得た少女のストーリーをご紹介します。

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スミさんは、 自分で仕立てた服のブティックを持つという夢を持っています。希望に満ち、溌剌としたスミさんは、16歳にして、その夢に向かって順調に進んでいるようです。しかし、彼女のこれまでの人生は決して恵まれたものではありませんでした。

スミさんは、ダッカ近郊の小さな村で育ちました。両親は、家族のためにより豊かな生活を求めて、村を離れ都市部にあるスラム街で暮らすことにしました。しかし、両親が共に働いてもなお、家計は苦しく、スミさんは学校に通うことをあきらめ、わずか7ドルの月給を稼ぐために、お手伝いさんとして働かなければなりませんでした。

そんなある日、スミさんは近所に新たな施設がオープンすることを知りました。それは学習センターで、うれしいことに彼女も基礎教育コースに入学できるとのことでした。すぐにでも入学したかったのですが、まず両親を説得する必要がありました。彼女の稼ぐわずか7ドルが家計の支えになっていたからです。学習センターの先生がスミさんの家族や雇い主に説得を重ね、ついに一日2時間半、学習センターで学ぶことができることになりました。一日2時間半あれば、基礎教育コースを修了するには十分です。

家族や先生のサポートを受けながら、2011年、スミさんは都会の働く子どもたちのための基礎教育コースを修了しました。これはバングラデシュ政府とユニセフが運営するプログラムで、修了後、スミさんは、職業訓練の一環としてこのプログラムが支援するNGOが運営する服飾専門学校のトレーニングセンターに入ることができました。

スミさんはまじめに服飾のトレーニングコースに取り組み、最短の6か月でコースを修了しました。そして、彼女のファッションへの情熱を形にするため、その後、自宅で小さな服飾店をはじめることにしたのです。トレーニング修了時に受け取った140ドルの元手資金で、ミシンや裁縫道具、生地などを購入しました。

いま、スミさんのビジネスは順調に成長しています。月に約80ドルの収入を安定的に得ることができるようになり、スミさんと家族はスラム街の外に引っ越すことができました。バングラデシュではよくあるように、若いスミさんには何度も結婚の申し込みがありますが、彼女は自立するためにキャリアを積む道を選びました。スミさんの努力とユニセフが支援するプログラム、そして先生や家族の支援を受けて、スミさんの夢は現実のものに近づきつつあります。

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Clothes for Smilesによる支援プロジェクトは、現在、対象地域の子どもたちの実態やニーズに関する調査が実施されているところです。家計を支えるためわずかな賃金で働き、学校に通う機会を奪われる子どもたち。そんな子どもたちが再び学ぶ機会を得て、貧しい生活から抜け出せるように、この取り組みを進めていきます。

働く子どもたちのための基礎教育コースプログラムに参加したスミさんは、いま婦人服の仕立て屋として自身のビジネスをはじめています。
© UNICEF/BANA2013-00786/Ahsan Khan

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