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ミンダナオ島プロジェクト 振り返りと今後 Vol.15(2016.2)

みなさんこんにちは!

e-Education Projectミンダナオ担当の嚴智用(オム・ジヨン)です!
本レポートより、前任のプロジェクト担当の佐藤建明から引き継ぎ、現在後任として活動中の嚴智用(おむ じよん)がお伝えさせていただきます。

今回のレポートでは、ミンダナオプロジェクトの概要と振り返り、今年度の方針と目標について、お伝えいたします。

ミンダナオ島では、2012年度より、北部に位置するカガヤンデオロ市とカミギン島の二ヶ所で、現地教育局と協働してプロジェクトを推進しています。e-Educationの理念である、「子どもたちのチャンスメイキング」は現地のドロップアウト高校生を対象とした比政府のOpen High School Program(高卒認定プログラム。以下OHSP)を支援するプロジェクトへと実りました。政府の公式な発表によれば、09年時点でフィリピンの高校生に値する年代の若者約600万人が高校に通えていません。低い進級率と高い中退率は経済的理由、台風や洪水などの災害、妊娠、障害などが主因であり、この課題を解決するべく、政府は98年度にOHSPを国立高校の任意プログラムとして正式に認可し法整備を行いました。対象生徒の多くが平日に働いていることから、OHSPは生徒の自発的な学習を基本とし、土日にいずれかに一回授業を行う、週一回のカリキュラムとなっています。

しかし、現場では思うようにOHSPが実施できていません。予算不足により、OHSPの教師はボランティア(無給)で土日を返上しなければならず、結果として慢性的な教師不足に陥り、教師対生徒比が1:75のクラスが常態化しています。また、教師が少ないことから、音楽教師が数学を担当しなければならない事態などが生じ、多くの場合、生徒の理解度チェックや答え合わせなど、専門外の教科にあたっては補助的な指導に留まっています。加えて、教科書不足が深刻な場合、教科書を家に持ち帰ることが許されず、生徒の継続的な学習を妨げています。また、教材面の課題もあります。例えば、採用されている教科書は英語で書かれており、英語に習熟していない対象生徒の属性とマッチせず、勉強意欲低下、途中放棄の原因となっています。こと数学においては、解答プロセスが簡略化されており、教師による指導なしには理解が困難な状況です。

e-Educationミンダナオプロジェクトはこうした課題を打開するために日々奮闘しています!提供しているソリューションは「映像教材(DVD)」です。

写真―OHSP/MOHSP授業風景

既に、生徒らが最難関である口を揃えた物理と数学(最終年)の映像教材の作成は終わっており、OHSPの中で活用されています。同映像教材プロジェクトは、前述しました現場の課題点を効果的に解決しています。予算不足により、教師の人数は増加していませんが、映像教材が教師の代わりとして機能します。OHSPを実施する学校の現場に物理の担当教師がいなくても、物理のDVDをセットするだけで物理の教師が映像を介して教えます。教師対生徒比率が1:75まで増大すると、生徒の学習速度に応じて個別指導は期待できません。しかし、DVDを複製し、生徒を学習速度に合わせた小グループに分けてDVDを放映することで、個別性をケアした教育が実現しています。DVDはCFSの支援によって提供しており、今年度より生徒がそれぞれDVDを持ち帰り、「いつでも、何度でも」DVDによって継続的学びができます。教科書は英語表記ですが、映像教材は対象生徒の母語であるビサヤ語を中心に作成したため、格段に学習効果が上がりました。

2012年から2015年3月の3年3ヵ月。これまでカガヤンデオロ市で13校、カミギン島で11校、延べ600名の生徒が映像授業を受けました。

2015年度は、「拡大」から「集中」にシフトする方針を決めました。
急拡大の副作用として、全体運営管理において不備が目立ち、まずは数校に絞ってベストプラクティスを作ることにしました。カガヤンデオロ市ではマカバラン国立高校とブルア国立高校を、カミギン島では、OHSPの"モバイル版"であるMOHSP(生徒が学校に来るのではなく、教師が生徒の方に向かう。学校に行く交通費のない生徒が主な対象。)を徹底的に支援します。対象生徒数はカガヤンデオロ市で約190名、カミギン島で約200人です。ベストプラクティスを築いた後に、水平的拡大を行う方針です。

ミンダナオプロジェクトの今年度の目標は、数学7と数学8(初年度と次年度)の映像教材作成とプレテスト・ポストテスト比25%の学力向上率です。「数学が難しい」という生徒の声に従い、数学科目から優先的に網羅することを決定しました。また、映像撮影と編集におけるこれまでの経験値と工夫を活用して、前年度20%だった学力向上率KPI目標を25%に上げました。25%の向上というのは、100点満点で60点を取った学生が75点を取り、70点を取った学生が87点を取ることを意味します。定量的に評価できる上記の指標に加えて、生徒、保護者、教師の満足度などの定性評価も兼ね、総合的に最大の社会インパクトが起こせるよう、奮闘いたします。

CFSの支援、現地の皆さんも本当に感謝しております。私たちも1ペソ(1円)単位で最適な活用を心掛けております。今後ともご声援のほどよろしくお願いいたします。

今回のレポート担当:
嚴 智用(オム・ジヨン)

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